http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/08/18/18024
アクセス解析なし、デザイン変更なしで問い合わせ数が10倍になったそうです。顧客理解の大切さがわかります。
希少で中身の濃い事例ですので、普通に内容を理解するだけではもったいない。
調査結果であるユーザーの気持ちを掘り下げてみることで、良いインプットが出来たので、下記に詳細を記載していきます。
通常ウェブマーケティング関連の改善事例の内容は、現状の問題に対してどんな施策を行い、その結果どうなったか、が書かれていると思います。
リンク先の事例で言うと、ホームページを見たユーザーが、「代理店=保険会社と誤解している」(問題)ので、「代理店と保険会社の違いを明確にしました」(施策)その結果、HP経由の問い合わせが増えました。だからユーザーインタビューは重要です。等です。
本当に素晴らしいのですが、読む側がきちんと理解しなければ、意味がないですよね。ユーザーインタビューが有効だからと言って、何も考えず行っても成果は出ません。調査結果を有効活用するには、調査結果をただ事実として捉えるのではなく、改善に至ったポイントを見出す必要があります。それは結果的に他の施策にも応用可能な考え方を習得できると考えています。その為にはどうしたら良いでしょうか?
注目したのは、問題と結果の間ではなく、そもそもその問題が何故起きるのか?です。(図1) リンク先の例を再び挙げると、何故HPを見たユーザーは「代理店=保険会社と誤解している」のか?問題に至った原因を追究し、逆にその問題が起きないようにする為にはどう考えたら良いかを考察してみました。言い換えると問題解決のための抽象的な考えを抽出していったという事です。
何故を繰り返すことで、様々な発見がありました。そしてこの一連の行為が、問題解決に役立つ普遍的な考え方を身につける練習になるのでは、と感じるようになりました。
ただ私は実際のウェブ担当者ではないので、予測がベースになります。 しかし最も大切な事は、問題の原因を考え、要点を理解する事です。それは分析業務全般、特に今回は定性分析スキルの向上に役立つのではと思います。アクセス解析などの定量分析とうまく使い分ければ、よりユーザーを理解することが出来ます。
ここからは具体的にどのように抽象的な考えを抽出していったかを書いていきます。 見づらくて申し訳ないですが、最後まで見て頂けたら嬉しいです。リンク先の記事を先に1度目を通した方が分かりやすいです。
・調査結果1
1.代理店=会社と誤解している
なぜ調査結果1のようになったのか。自分たちが何者であるか、をサイト内に記載していなかったと推測できます。 自分たちは自身のサービスや業界について知っていたとしても、ユーザーが同じくそうであるとは限りません。初めて見たユーザーにもわかるようにきちんと(この場合は保険なので特に)内容を説明する必要があります。ただこの問題に気づくのは容易ではないと思います。身近な情報であるほど、自分たちでは気付きづらいからです。(私もよく身につまされます)客観的な視点を得るには、自分一人だけで考えるのではなく、周りの人と考えを共有するのが一番です。
抽象的な考え
「当たり前の情報が抜けていないか意識する」
2.あまり小さな保険会社は不安なので、大手の保険に入ろうと していた
何故不安に思っていたのか、保険というサービスの性質上、ユーザーは安心感を求めている事が推測できます。人は失敗した場合の手間やリスクが高いほど、安全策を取ってしまいたくなるものです。
その為多くの人が利用をしている大手保険会社を選択したいという事でしょう。 ユーザーを安心させるには、リンク先の事例の改善策のように実績や権威との結びつきを数字で具体的に明記する事が重要です。
その他の対策は、サービス利用者の生の声、口コミ、場合によってはSNSや外部リンクも効果があると考えています。準備や検討が必要な商品ほど記載するべきです。
抽象的な考え
「ユーザーの安心感を満たす」
・調査結果2
1.団体扱割引でどのくらい安くなるか想像しづらい
調査結果1と似ていて恐縮ですが、割引についてホームページに掲載していたにもかかわらず、ユーザーに伝わっていなかった事が予測できます。
しっかりと読み手に内容を伝えるには「簡潔さ」と「比較」が重要です。前者は簡潔で意味の伝わるタイトルやキャッチフレーズ、後者は「大手または他社と比べて○○%お得」と宣伝していたら、受け取るユーザーの印象は違ったかもしれません。
抽象的な考え
「サービスの特性を踏まえた情報を提供する」
2.「20%割引だとしても結局ネット損保の方が得なんじゃないか?」
疑問は浮かんだけど、実際にユーザーは比較しなかったって事ですよね。何故比較しなかったのか?それは単純に分からなかった、面倒だった。からですよね。当然ですが、不慣れなユーザーは細かい事が分からないし、わざわざ他社のホームページを検索、比較するまでの手間はかけたくないって事でしょう。提供側が意識しておきたいのは、こういった手間や疑問を予め察知しておくことです。
抽象的な考え
「ユーザーに手間をかけせない」
「疑問を解決するコンテンツを掲載しておく」
(ユーザー心理の補足)
団体扱割引について、自分たちは団体割引がお得と分かっていても、ここも大事なポイントだと思うのですが、ユーザーにとっては、競合他社も頭にあるわけですよね。
競合サイトは保険価格の見積もりが出来て、購入のイメージがつきやすい。となるとそちらに傾いてしまうのかもしれません。
改めて実感する事は、自社商品の仕組み、強みをきっちりサイトに掲載する、基本の大切さですよね。言葉で言うのは簡単ですが、実行しているサイトは多くありません。商品の質が良いのに、サイト上で訴求していない、もしくはユーザーに伝わらないのはもったいないです。
・調査結果3
1.割引 = 「サービス内容劣化」という誤解がある
サービスと金額に妥当性が無い場合はユーザーが不安になってしまいます。安ければ良いというわけではありません。サービス内容と価格にギャップがあり過ぎると、不信感をユーザーに抱かせてしまいます。 重要なのは、高いなら高い安いなら安いで、納得のいく理由を説明する事です。
抽象的な考え
「中立性を意識する」
いかがでしたでしょうか。抽出した抽象的な考えをまとめると、
「当たり前の情報が抜けていないか意識する」
「ユーザーの安心感を満たす」
「サービスの特性を踏まえ、それに応じた情報を提供する」
「中立性を意識する」
言葉だけ見ていたらあいまいかもしれませんが、抽出した後なら、 その意味を深く理解出来るようになるのではないでしょうか。
このようなロジカル思考はマーケティングに必須です。皆さん是非やってみてください。
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