2015年10月3日土曜日

リスティング広告とSEOを併用する理由は陣地論にあり!?

 あるキーワードで自然検索結果が1位の場合、同じキーワードをリスティング広告で出稿すべきか?前から言われていたこの議題、SEM関係者の方は聞いたことがあると思います。

 2012年グーグルはオーガニック検索で1位でも、検索連動型広告の出稿で50%クリック数を高められると発表しました。SEOが絶好調でもリスティング広告を買うべき理由(記事後半)
 ただ言葉だけ聞いてもピンときませんよね??SEOで1位なんだから、リスティングに出稿してもクリック数は変わらないんじゃない?と思っている人もいるはずです。私も以前聞いたときはそうでした。
 総クリック数が増加する理由は、結論から言うと、検索連動型広告に出稿する事で、同じく出稿している競合に、ユーザーが流入してしまうのを防ぐ事が出来る為です。リスティングとSEO、それぞれ別に考えていると、捉えきれない話ですよね。
 そのメカニズムを理解するには、SEOとリスティング広告を同じ視点で考えなければなりません。


ユーザーにとってはリスティング広告もSEOも同じ


 自分が検索する時、自然検索をクリックするか、リスティング広告をクリックするか初めから決めていますか? 検索者がたまたま目についたのが広告なだけであって、検索時にどちらをクリックしようと決めている人はあまりいないと思います。(最近は広告スペースと認識されてきたかもしれませんが)運営者目線からすると、SEOとリスティングは施策内容が全く違うから、自然と「別物」と考えがちです。ですがユーザーからすれば2つは同じ「検索結果」なのです。このグーグルの調査結果はそれを顕著に表してるのではないでしょうか。


リスティング広告の本質は陣取り合戦!?

 
 もう一つこの調査結果を因数分解する上で、考えさせられることがありました。それはリスティングもしくはSEMの本質といいますか、クリックされる事だけ考えるなら、やっぱり「陣地の影響」が大きいのではという事です。自然検索と同じ内容(と仮定します)の広告文にもかかわらず、出稿する事で、クリック数が50%増加するというのは、単純に陣地の位置、広さがクリックに影響を与えると考えざるを得ません。
 なぜなら検索時のユーザーの頭の中は以下のようだと思うからです。
 まず検索キーワードがブランドワードの場合、ブランド名で検索するユーザーは、検索した段階で、目当てのサイトが決まっていますよね。にもかかわらず他社に流出してしまっている。これはとても考えづらい事です。人は、頭の中にない事は目に入らないからです。(心理学でいうカクテルパーティ効果)
だけどデータが事実を証明している。ブランドワードで検索されてるのに、SEO一位である自社がクリックされない。
考えられる状況は、競合他社が自社よりも良い位置に掲載されている、くらいしか思いつきません。つまり競合他社が広告により上位表示されていた為、ユーザーは先に目に入った他社の広告をクリックしてしまった、のかなと。図1)
自社に訪問しようとしたユーザーが、自社を「素通り」するのは想像しがたいです。なので競合がクリックされた原因は位置的要素だと推測します。

 本当にそれだけで50%も高くなるのか?って感じですよね。あくまでデータの枠内で推測したものなので、証明より論を楽しんでいただけたらと思うのですが・・・もう少し細かいデータを知りたいですね。



 つい先日これに関連するヤフーの記事、なぜスポンサードサーチとSEOは両方必要なのか、の中で興味深いデータがありました。SEOとスポンサードサーチの併用をやめてしまった場合、オーガニック検索からの獲得ユーザー数はやめる前と比べてPC36%減、スマートフォンは77%減となったそうです。とくにスマホは陣地の効果を如実に表していますよね。やっぱり上位表示、専有面積の影響は大きいのかなと思います。
 これって結構認めたくないんですけどね。併用するメリットはそんな単純な理由かい?って。広告文の質もクリックに貢献していると思いたいです。それとも広告文とSEOスニペットそれぞれ異なる内容で、質も良かったとか。それでも50%も増加となると、うーん(笑)

 まあこのケースに限らず、検索結果画面を見ていて、この広告文がクリックされているとしたら、その内容よりも、単純に「いい位置にあるから」じゃない?と思う事があります。コンバージョンしているかは別ですけど。それがきっかけで今回の陣地論?を思いつきました。

 ブランドワード以外のキーワードの場合は、クリックされる要素は陣地だけではないですよね。ユーザーは目当てのサイトはまだ決まっていないですから。ここがブランドワードとの違いです。広告文の質がより重要になります。
ユーザーがクリックする可能性がある他の選択肢は、ナレッジグラフ中のECサイトのリンク、ブランドワードよりも多い競合の数、などが挙げられるでしょうか。これらも陣地と言えば陣地ですね・・・でもこれならSEOに加え広告を出稿するメリットを見出せそうです。50%はある程度納得できます。この場合出稿の目的は、本来のPULL型、つまり競合への流入を防ぐというよりは、自社を認知してもらう為という事になります。


 まあ実際併用の効果がデータで実証されているので、するべきだとは思うのですが、自分で検証してみると独自の発見があるかもしれません。一番目のリンク記事によると、キーワードの種類によってデータが大きく異なるそうです。
 担当者としては、何も施策をしてないのに総クリック数が増加している場合は、競合が出稿を取りやめたのではと予測することが出来ますね。あくまで可能性の話ですが。意外に外的要因って気付きづらいのでは?検証可能なうらやましい方は、是非結果を教えてください。

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