2015年4月5日日曜日

消費者の実行動からインサイトを予測する

WEBマーケティングにおいてよく耳にする「顧客を理解する事の大切さ」。
 抽象的な言葉ですが、学んでいくほど、最も大切なんだと実感します。
今回は、顧客行動からインサイトを予測し、具体的な施策を考える一連の流れについて書いてみます。



 あるインタビューで、BTOBサイトの担当者がサイトでの商品購入の際、次の事を考えていたとわかったとします。


1. 近い業界事例が掲載されているか
  を重視した
2. 1回の検索で2、3ページ閲覧した
3. 1ヶ月で約100サイトを閲覧した




これを基にサイト運営側はどう施策を考えればよいでしょうか。

1は事例ページを掲載する。2.3はSEOで上位20~30位までを目指す事が考えられるでしょう。それでも間違いではないと思います。

ですがここでは1~3の事実に至るまでの理由を考える事が重要です。

1からは
 a モノ(内容)よりヒトを重視。「確実性」
 b 自分向けの情報かどうか知りたい

などが考えられます。
ポイントは何故そのような行動をとったのか、その要因を遡って考えることです。

言い方を換えると 

a 確実性を重視したい(理由)
b 自分向けの情報かどうか知りたい(理由) 

なので、

1.近い業界事例が掲載されているかを重視した(行動)

この理由と行動が自然であれば、それなりに精度がある推測と言えるでしょう。
 

施策としては、aなら事例にケーススタディや課題解決を盛り込む、お客様の声、課題解決のコンテンツを作成する。
bならコンテンツ、広告、メール等の訴求文にターゲットの属性(新規、リピーター、法人、個人等)を記載する。等があるでしょう。


3から推測できる顧客ニーズは
・検討のための沢山の情報を取得したい

が考えられます。

検討のための沢山の情報を取得したい(理由)

なので、

3. 1ヶ月で約100のサイトを閲覧した(行動)
と予測する事が出来ます。

施策は比較検討のためのコンテンツを(実績、強み、他社との差別化、課題解決等)提供する。等があるのではないでしょうか。

 もちろんユーザーそれぞれの性格や背景が異なるので、答えは一つではないと思います。例えば3だったら、単純に求めている情報が見当たらなかっただけかもしれません。
 大切なのは事実を表面的にとらえるのではなく、その事実に至った理由を深堀していく事です。本質は何かを問い続けましょう。
その為には、論理的思考や消費者心理に精通している事、多角的に物を見る力など、様々な能力や知識が必要かと思います。

勉強会などで、この顧客行動からこういうニーズが読み取れる、なのでこういった施策をするべきだ、と議論しても面白いかもしれません。

2015年2月15日日曜日

ユーザーニーズとWEBデザイン




「グラフィックデザインは、Web構築においては、ほぼ必然に導かれる」

とても含蓄のある言葉だと思います。

 ここでいうデザインは、色や形ではなくて、導線やリンク、レイアウトの事です。
 サイトデザインの際、レイアウトやナビゲーションを先に決めて、そこにコンテンツを当てはめていく方も多いのではないでしょうか。

 一方記事内では、コンテンツが先でデザインが後から来ると述べています。
 マーケティングでサイトの方向性を定め、ユーザー行動観察調査や口コミ、アンケート、現場の声等を元に、ユーザーを深く理解していれば、デザインは自然と決まってくると言いたいのだと思います。

 例えばコールトゥーアクションのバナーリンク配置でも、ターゲットユーザーによって設置する場所が異なる事があります。
 新規ユーザー用には商品紹介ページ、リピーター用にはトップページのファーストビューに配置する等です。なぜなら

前者は(商品の説明を見て、興味を持ったので購入したい)
後者は(商品の内容は既に知っているので、手っ取り早く購入したい)
いう心理の違いがあるためです。

各デザインの背景には、必ずユーザーニーズに基づいた理由があるという事ですね。

 ここでは新規ユーザーとリピーターの違いを例にしましたが、ユーザーの種類によって提供すべきデザインは変わってくるはずです。サイコグラフィックス(ユーザーの年齢、性別、ライフスタイル等)やサイト内行動(閲覧したページ、訪問回数、ページビュー数、関連サイトからのランディング等)等が考えられます。

 またサイトリニューアルの場合は、アクセス解析で人気コンテンツを把握し、それを踏まえてデザインを決めていく事も出来ますよね。

 私も以前はデザインが先に来て、その後にコンテンツを当てはめて考えていました。確かにサイトの目的や情報量に応じて、向いているデザインもありますが、ユーザーニーズを最も優先することが大切だと再確認しました。

 ただユーザを理解し、分類、さらにはサイト訪問時の行動シナリオまで作るには、運営側と制作会社の綿密な連携が必要です。運営側はユーザー、競合、ビジネスの情報を提供し、制作会社はそれをどう形にするか、お互いが違う目線で提案し合い、相互にサイトを発展させていくのが良いですよね。

2015年1月22日木曜日

インプットの仕方~核となる考え方を抽出せよ

ユーザー行動観察調査を行ったサイト改善事例を基に話を進めていきます。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/08/18/18024

 アクセス解析なし、デザイン変更なしで問い合わせ数が10倍になったそうです。顧客理解の大切さがわかります。

 希少で中身の濃い事例ですので、普通に内容を理解するだけではもったいない。
調査結果であるユーザーの気持ちを掘り下げてみることで、良いインプットが出来たので、下記に詳細を記載していきます。

 通常ウェブマーケティング関連の改善事例の内容は、現状の問題に対してどんな施策を行い、その結果どうなったか、が書かれていると思います。

リンク先の事例で言うと、ホームページを見たユーザーが、「代理店=保険会社と誤解している」(問題)ので、「代理店と保険会社の違いを明確にしました」(施策)その結果、HP経由の問い合わせが増えました。だからユーザーインタビューは重要です。等です。

本当に素晴らしいのですが、読む側がきちんと理解しなければ、意味がないですよね。ユーザーインタビューが有効だからと言って、何も考えず行っても成果は出ません。調査結果を有効活用するには、調査結果をただ事実として捉えるのではなく、改善に至ったポイントを見出す必要があります。それは結果的に他の施策にも応用可能な考え方を習得できると考えています。その為にはどうしたら良いでしょうか?

  注目したのは、問題と結果の間ではなく、そもそもその問題が何故起きるのか?です。(図1) リンク先の例を再び挙げると、何故HPを見たユーザーは「代理店=保険会社と誤解している」のか?問題に至った原因を追究し、逆にその問題が起きないようにする為にはどう考えたら良いかを考察してみました。言い換えると問題解決のための抽象的な考えを抽出していったという事です。




何故を繰り返すことで、様々な発見がありました。そしてこの一連の行為が、問題解決に役立つ普遍的な考え方を身につける練習になるのでは、と感じるようになりました。

 ただ私は実際のウェブ担当者ではないので、予測がベースになります。 しかし最も大切な事は、問題の原因を考え、要点を理解する事です。それは分析業務全般、特に今回は定性分析スキルの向上に役立つのではと思います。アクセス解析などの定量分析とうまく使い分ければ、よりユーザーを理解することが出来ます。

 ここからは具体的にどのように抽象的な考えを抽出していったかを書いていきます。 見づらくて申し訳ないですが、最後まで見て頂けたら嬉しいです。リンク先の記事を先に1度目を通した方が分かりやすいです。

・調査結果1
  1.代理店=会社と誤解している  

 なぜ調査結果1のようになったのか。自分たちが何者であるか、をサイト内に記載していなかったと推測できます。 自分たちは自身のサービスや業界について知っていたとしても、ユーザーが同じくそうであるとは限りません。初めて見たユーザーにもわかるようにきちんと(この場合は保険なので特に)内容を説明する必要があります。ただこの問題に気づくのは容易ではないと思います。身近な情報であるほど、自分たちでは気付きづらいからです。(私もよく身につまされます)客観的な視点を得るには、自分一人だけで考えるのではなく、周りの人と考えを共有するのが一番です。

 抽象的な考え
  「当たり前の情報が抜けていないか意識する」  


 2.あまり小さな保険会社は不安なので、大手の保険に入ろうと       していた

 何故不安に思っていたのか、保険というサービスの性質上、ユーザーは安心感を求めている事が推測できます。人は失敗した場合の手間やリスクが高いほど、安全策を取ってしまいたくなるものです。
その為多くの人が利用をしている大手保険会社を選択したいという事でしょう。 ユーザーを安心させるには、リンク先の事例の改善策のように実績や権威との結びつきを数字で具体的に明記する事が重要です。
 その他の対策は、サービス利用者の生の声、口コミ、場合によってはSNSや外部リンクも効果があると考えています。準備や検討が必要な商品ほど記載するべきです。

 抽象的な考え  
  「ユーザーの安心感を満たす」


・調査結果2
  1.団体扱割引でどのくらい安くなるか想像しづらい  

調査結果1と似ていて恐縮ですが、割引についてホームページに掲載していたにもかかわらず、ユーザーに伝わっていなかった事が予測できます。
しっかりと読み手に内容を伝えるには「簡潔さ」と「比較」が重要です。前者は簡潔で意味の伝わるタイトルやキャッチフレーズ、後者は「大手または他社と比べて○○%お得」と宣伝していたら、受け取るユーザーの印象は違ったかもしれません。


 抽象的な考え
   「サービスの特性を踏まえた情報を提供する」


2.「20%割引だとしても結局ネット損保の方が得なんじゃないか?」


疑問は浮かんだけど、実際にユーザーは比較しなかったって事ですよね。何故比較しなかったのか?それは単純に分からなかった、面倒だった。からですよね。当然ですが、不慣れなユーザーは細かい事が分からないし、わざわざ他社のホームページを検索、比較するまでの手間はかけたくないって事でしょう。提供側が意識しておきたいのは、こういった手間や疑問を予め察知しておくことです。

抽象的な考え
「ユーザーに手間をかけせない」
「疑問を解決するコンテンツを掲載しておく」


(ユーザー心理の補足)   
 団体扱割引について、自分たちは団体割引がお得と分かっていても、ここも大事なポイントだと思うのですが、ユーザーにとっては、競合他社も頭にあるわけですよね。
 競合サイトは保険価格の見積もりが出来て、購入のイメージがつきやすい。となるとそちらに傾いてしまうのかもしれません。
改めて実感する事は、自社商品の仕組み、強みをきっちりサイトに掲載する、基本の大切さですよね。言葉で言うのは簡単ですが、実行しているサイトは多くありません。商品の質が良いのに、サイト上で訴求していない、もしくはユーザーに伝わらないのはもったいないです。



・調査結果3
  1.割引 = 「サービス内容劣化」という誤解がある  

 サービスと金額に妥当性が無い場合はユーザーが不安になってしまいます。安ければ良いというわけではありません。サービス内容と価格にギャップがあり過ぎると、不信感をユーザーに抱かせてしまいます。 重要なのは、高いなら高い安いなら安いで、納得のいく理由を説明する事です。

抽象的な考え
  「中立性を意識する」


いかがでしたでしょうか。抽出した抽象的な考えをまとめると、

「当たり前の情報が抜けていないか意識する」
「ユーザーの安心感を満たす」
「サービスの特性を踏まえ、それに応じた情報を提供する」
「中立性を意識する」

言葉だけ見ていたらあいまいかもしれませんが、抽出した後なら、 その意味を深く理解出来るようになるのではないでしょうか。
  このようなロジカル思考はマーケティングに必須です。皆さん是非やってみてください。